何が違うんですか?

日記
02 /24 2011
最近、よく「バウエルンマーレライって何?」とか
「トールペイントと何が違うんですか?」という質問があります。

まずは、トールペイントについてです。

私は、「トールペイントとはアメリカントールペイントと言われるように、
ヨーロッパのフォークアートが移民と共にアメリカに渡り、
アメリカでアメリカの文化や歴史によって変化していったアート」と認識しております。

また、何種類もの筆を使って、同じところ何度も何度も重ね塗りすることによって
陰影をつけ立体的に、より実物に近い絵を描くアートでもあります。

2243.jpg
アメリカントールペイントでよく使われている筆の一部。

これでも、一部なんです。(号数はメーカーによって違います)

ラウンド筆(丸筆)3/0号~10号
ライナー筆10/0号~1号
フラット筆(平筆)0号~18号
フルバート筆(平筆の先が丸くカットされた筆)2号~12号
アンギュラー筆(平筆の先が斜めにカットされた筆)1/8号~3/4インチ
スクエアコーム(動物などの毛を描く為の筆*櫛のように毛先がすかれた筆)
自然毛ディアフット筆(風景画などを描くときに凸凹の表現やぼかし筆として使う)
モップ筆(絵の具が乾く前にモップ筆でなでる様に馴染ませてぼかす)

などなど、多くの種類の筆を駆使して描いていくアメリカントールペイント。

そして、絵の具も1作品で約10種類以上の色を用います。
作家さんや絵によって、絵の具の使用数は変わってきますが、
平均的に10種類~20種類。多いと30種類以上とか・・・。

気軽に始める・・・ってなかなか出来ないですよね・・・。
道具を揃えるまでが結構大変です。

summer.jpg
写真が小さくてすみません(汗)

古屋加加江子先生のデザインです。
14種類の絵の具を使用しました。
いろんな筆を用いて、明暗をつけたり、叩いてぼかしたり・・・

図案には、どの色を使ってどんな風に描く・・・と
作家さんの想いが細かく書かれており、それに沿って描いていきます。

そのペイント用語を理解して、技術を磨くだけでも根気が入ります。

上級になってくると、オリジナルデザイン作品を描いていけますが、
色の達人・筆の熟知・高等技術を得ないと難しい面もあります。

私も簡単な図案でオリジナルデザインで描いたこともありますが、
絵の具の組み合わせや陰影のつけ方など苦労しました。


さて、バウエルンマーレライは・・・

ドイツ南部とオーストリア地域のドイツ語圏のアート。
フォークというように古い絵です。

フォークアートの原型とも言われているアートなのです。

ロココやバロックなどの影響も受けつつ、単純なモチーフを組み合わせて描く
素朴で温かみのある絵です。

アメリカントールペイントと違って、筆1本で描いていくので、
筆に迷うことはありません。

柔らかい表現が特徴。

2244.jpg
作品の大きさにも寄りますが、この4本あれば十分です。

5号・4号・2号、細いラインを描くためのライナー筆。

凄く細かく言うと、ナイロンの毛ではなく、天然の毛(イタチなどの毛)の方が
適しています。

絵の具の使用数もアメリカントールペイントに比べると少なく
大体5種類~15種類ぐらいです。 風景画などは絵の具の色も増えますが。

no5.jpg
例えば、この作品は、丸筆5号を使用しました。

221.jpg
3月に行う教室で描くこの小さな表札は、2号筆で描きます。

つるなどの細い線を描くときは、ライナー筆があれば綺麗に描けますが
慣れてくると、5号筆でも描けちゃったり。(毛先が整って綺麗であれば)

2242.jpg
さらに、下地を塗る筆とニスを塗る筆があれば完璧です。(アメリカントールペイントも共通)


ドイツで学んでいるときに、Hasenbeck先生に
「これと同じ作品を描きたいけど、絵の具は何色ですか?」と
聞いたことがあります。

すると、先生は「この色を使ったけど、自分の好きな色で描きなさい」と言いました。

先生は、きっと「真似るのではなく、自分の想いで描きなさい」
と言いたかったのかな?と思いました。

自分で色を選んで描くことによって、色に縛られることが無く
そのときの自分の気持ちや自分の好みにアレンジでき
初めて「楽しいなぁ~」と心から思いました。

フォークアートと呼ばれるだけあり、歴史が古く
当時のことを考えると、いろんな種類の筆も無かったのかも知れません。
限られた筆で花や鳥、風景を描いていくので、アメリカントールに比べれは
繊細さは少々かけるのかも知れませんが、私はとても温かみがあると思います。

一言で言うと、単純なのかも知れません。


また、バウエルンマーレライのほかに・・・
オランダの「ヒンダローペン」「アッセンデルフト」
スイスの「パンチュールペイザンヌ」
ノルウェーの「ローズマリング」
ロシアの「ジョストボ」

8157.jpg
オランダ・ヒンダローペンの技法で描いた木靴。これも丸筆2本で描きました。

ヨーロッパとひとくくりで言えない位、
各国の文化があり、独特な絵が発展してきました。

その文化でもあるフォームアートがアメリカに渡り、
独自の画法、筆の発展、絵の具の色の開発をし続け、
アメリカントールペイントが確立していったと思います。


今では、現地でもフォークアートを引継ぎ守る人が少なくなっているそうです。

たった4年かも知れませんが、ドイツに住んで、ドイツの文化や生活に触れ
バウエルンマーレライを学んだことをこれからも忘れずに、
多くの人に見ていただいたり、触れたり、そして、1度でも良いので描いてみたいっという
思いになっていただけるよう、私もがんばって行きたいと思います。


この説明で判りましたか?







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ぽこ・マーレライ

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